「青葉繁れる」(1974)

80点80
井上ひさしの半自伝的小説を岡本喜八が監督した明朗な青春映画。1950年代の話を、当時の視点でアレンジしている。女を強姦することばかり考えている名門校の落ちこぼれ4人組の物語だが、印象は骨っぽく、カラッと明るい。主人公たちが純愛を捧げ、現実からスクリーンに越境するヒロインのモデルは若尾文子。

あらすじ

田島稔は東北の名門校仙台一高の三年生だが、成績は三百人中二百八十四番の劣等生で、いつも綺麗な女学生を見ては強姦することばかり夢想している。ある日、東京の日比谷高校から、見るからに精悍そうな渡部俊介が転校して来た。しかも彼は、稔と彼の悪友、デコ、ジャナリたちの憧れの的、スナックのママのお多香さんの弟であった。宮二女演劇部と仙台一高演劇部が、男女別学制を破って英語劇を合同公演することになった。発案者は勿論俊介で、作品は「ロミオとジュリエット」に決まり、俊介がロミオ、ジュリエットにミス宮二女の若山ひろ子の配役になった。稔たちは面白くない。合同公演をやるというので演劇部に入ったのに、貰った役は従僕A、B、C、しかも、俊介とひろ子の仲がロミオとジュリエット以上に熱々なのだ。数日後、突然俊介が失踪した。だが翌朝ひょっこり俊介が現われ、ひろ子が退学して東京へ行った、と稔たちに言った。ひろ子が去った演劇部は火が消えたようである。それでは、と稔、デコ、ジャナリは手当り次第宮二女演劇部員にモーションをかける。だが、俊介と共に松島の五大堂で彼女たちと待ち合せるが、やって来たのはデブのたん瘤一人。他の三人は体良く逃げたが、デコが残って破れかぶれで彼女を襲うが、たん瘤はパンツを二枚はき、下には水着をつけた完全武装だったため未遂に終る。帰り道、仙石線の車内でチョロ松とお多香さんの仲睦まじい姿を見た四人は、腹いせにチョロ松を殴り倒し、手当り次第に市中の看板、標札を盗み、創立記念日の行事に出品してしまった。これが県教育委員会の耳に入り、強姦未遂事件と、この看板事件の責任をとってチョロ松校長が辞職願いを出した。この事を知った四人は、退学届を胸に、教育委員会に押しかけて一部始終を話すが、チョロ松の辞職願は受理される。数日後、辞職後のチョロ松が気にかかって、四人が訪ねてみると、今では、松田英語塾の先生となり張り切っているのを見て安心する。「色々あって、それで人生は面白れえのっしゃ」と俊介。松田英語塾の看板を盗み、四人は風を切って走っていった。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 1974年
製作国 日本
配給 東宝=東宝映画
チケット 前売りチケットを購入する