「二十四の瞳〈1954年〉」(1954)

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【DVD発売中】

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本作品はおそらく木下の作品歴のなかでも、その叙情的性格を最も色濃くうまく出しきった傑作。主人公の若き女教師・大石久子が小豆島の分教場に赴任した昭和3年から、終戦の翌年までの激動する18年間を年代記的に描いている。分教場の12人の生徒と大石先生の師弟愛が戦争や家族制度、貧困といったものに踏みにじられていく様子を、幾歳月を経ても変わらぬ、小豆島の美しい自然の中に対象的に映し出し、時代の悲劇を見事に見せている。女学校出のハイカラな大石先生は、赴任当初は村の人々から白い目で見られたが、次第に受け入れられるようになる。やがて時代の流れも12人の優しい教え子たちを離散させ、戦地で命を失う者も出る。終戦後、生き残った者が集まって、再び大石先生を囲む。“二十四の瞳“を演じる現地で募集した素人の兄弟姉妹と、20代から40代を演じる高峰秀子の演技が素晴らしい。DVDは「木下惠介 DVD-BOX 第1集」に収録。

あらすじ

昭和三年四月、大石久子は新任のおなご先生として、瀬戸内海小豆島の分校へ赴任した。一年生の磯吉、吉次、竹一、マスノミサ子、松江、早苗、小ツル、コトエなど十二人の二十四の瞳が、初めて教壇に立つ久子には特に愛らしく思えた。二十四の瞳は足を挫いて学校を休んでいる久子を、二里も歩いて訪れてきてくれた。しかし久子は自転車に乗れなくなり、近くの本校へ転任せねばならなかった。五年生になって二十四の瞳は本校へ通う様になった。久子は結婚していた。貧しい村の子供達は卒業を迎えても誰一人望み通り進学出来ず、母の死んだ松江は金比羅の食堂へ奉公に出された。八年後−−その頃擡頭した日本の軍国主義は久子を教壇から追い、大東亜戦争は夫まで殺した。島の男の子は次々と前線へ送られ、竹一等三人が戦死し、ミサ子は結婚し、早苗は教師に、小ツルは産婆に、そしてコトエは肺病で死んだ。久子には既に子供が三人あったが、二つになる末っ子は栄養失調で死んだ。終戦の翌年−−久子は再び岬の分教場におなご先生として就任した。教え児の中には、松江やミサ子の子供もいた。一夜、ミサ子、早苗、松江、マスノ、磯吉、吉次が久子を囲んで歓迎会を開いてくれた。二十四の瞳は揃わなかったけれど、想い出だけは今も彼等の胸に残っていた。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 1954年
製作国 日本
配給 松竹
上映時間 155
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