「いさなのうみ」(1997)

70点70
高知県室戸の水産高校に通う廉次は代々、遠洋漁業を営む一家に育った。漠然と漁師になることを考えていた廉次は、鯨が来ると言った祖父が一人、船を出してしまうという一件を経験してから、急速に鯨にのめり込んでいく。そんな彼の前に、京子という不思議な魅力を持った転校生が現れる。彼女は鯨に関して博識だったが、捕鯨を考える廉次と鯨の保護を訴える彼女とは大きく意見が食い違った。ある日、廉次は訓練のために一人で船を出すが、誤って海に転落してしまう。意識もうろうとなった彼の目に、海の中を泳いでくる京子の姿が映る……。廉次と彼に恋する同級生、美智子、そしてひと夏だけの転校生、京子が紡ぎ出す青春模様を、過疎、生態系破壊といった社会問題を織り込みながらファンタジックに描き出す。主演は高知県内のオーディションで選ばれた二宮哲也。

あらすじ

室戸に住む廉次は、将来父の跡を継いで遠洋漁業の漁師になることを漠然と考えながら、水産高校に通っていた。ある日、廉次の祖父が「鯨が来る」と言って、小さな漁船で海へひとりで出ていってしまう。祖父を心配して灯台の下で一夜を明かした廉次は、翌朝、転校生の京子に起こされ、祖父の帰還を知った。この事件を機に廉次は鯨に興味を持つようになり、鯨に詳しい京子と接近していく。そんなふたりの様子を見て、廉次に想いを寄せるクラスメイトの美智子は気が気ではなかった。だが、かつて捕鯨が盛んだった室戸を再び捕鯨によって盛り上げようと考える廉次と、“保鯨”を考える京子は次第に意見を違えていく。そんなある日、捕鯨の訓練をしていた廉次が海に転落し、意識を失ってしまった。その時、廉次は海中を自在に泳ぐ京子の姿を見たような気がして、しばらくの後、一命をとりとめる。翌日、廉次は京子と一緒に鯨にまつわる場所を巡り、鯨を奉った神社で鯨は捕るものではないことを悟った。廉次は京子と海へ出て嵐に見舞われ、海上で一夜を過ごすことになったが、翌朝、捜索船がふたりを救助に来た時、京子は海へ飛び込んでしまう。その姿をイルカか人魚と勘違いした漁師たちは、捕獲しようと一斉に船を出した。美智子に諭され、京子を助けるために再び海へ出た廉次は、実は鯨の化身であった京子とひとしきり海中を回遊し、無闇に鯨を捕らないことを約束して別れる。やがて、廉次や漁師たちたちが見守る中、雄大な鯨がその姿を現した。それから数年後、漁師になった廉次と結婚した美智子が子供の世話をしている姿が室戸の海岸にあった。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 1997年
製作国 日本
配給 ビターズ・エンド=バンダイビジュアル=WOWOW
上映時間 91
公開日 1997年7月5日(土)公開
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