「Wild Life」(1997)

【DVD発売中】

45点45
1作ごとに異なる作風を披露し、映画作家としての懐の深さを感じさせる青山真治の監督第3作。この5年間、決まりきったストイックな日常を過ごしてきたパチンコのクギ師・酒井。かつての同僚・水口が仕掛けた復讐作戦に巻き込まれた彼は、1本のビデオテープをめぐる怪事件に悩まされる……。フィルター処理された冷ややかなトーンの映像の中に、ヤクザの暗躍、主人公と社長の娘との恋物語などがパズル感覚で入り乱れる異色ハードボイルド。どこか不気味で淡々としていたドラマのテンポが、敵陣に乗り込んだ主人公が元ボクサーの本領を発揮するクライマックスでは一気に加速し、観る者をアゼンとさせる。まさに変幻自在、掴みどころのない魅力を秘めた作品だ。

あらすじ

元ボクサーの酒井宏樹は、津村健三の経営する津村商会でパチンコの釘師をしている。ある日、津村の娘・理恵と6年ぶりに再会した酒井は、なかば強引に彼女から食事に誘われ、互いに急速に魅かれあっていった。そんなふたりの前に突然、関西のヤクザ・伊島が現れる。伊島は、津村商会にいた水口が酒井に渡したという封筒について脅迫まがいに尋ねるが、事の次第を全く把握していない酒井には答えようがなかった。その後、酒井は津村の内縁の妻・順子から、津村が帰っていないことを知らされる。酒井は知り合いの刑事・樋口に津村の捜索を依頼するが、相手にされなかった。理恵と順子は水口の恋人のホステス・キャサリンを訪ね、水口が5000万円の儲け話があると口にしていたことを知る。ひとりで津村の行方を探し続けていた酒井は、その行動を伊島に察知され拉致された。謎を解く鍵となるビデオテープのありかを問いただされた酒井は、ビデオと封筒が水口からキャサリンに贈られた彫刻の中に入っていたことを告げる。そのビデオには7年前、津村の店で起きた強盗事件の防犯カメラの映像が映っており、強盗犯の正体が刑事だったことをもみ消そうとしたパチンコ業界の黒幕・久野は、津村に示談を持ちかけ、ビデオを封印したのだった。津村邸からビデオを盗み出した水口は伊島らと取り引きをしようとしたが失敗し、ビデオだけが外部に流れたため、久野は津村を誘拐したのである。一部始終を知った酒井は、久野にビデオと津村との交換を持ちかけた。やがて酒井は久野のアジトから津村を助け出し、すでにビデオの存在がマスコミに流れていることを知って観念した久野は、拳銃自殺を図る。酒井は休職届けを出して、自らの新しい第一歩を踏み出すために理恵に結婚を申し込んだ。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 1997年
製作国 日本
配給 ビターズ・エンド
上映時間 102
公開日 1997年4月5日(土)公開
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