「人間椅子〈1997年〉」(1997)

【DVD発売中】

70点70
昭和初期。人気女流作家、篠崎佳子が一通の封書を受け取る。そこには椅子の中に潜り込んだ男の世にも不思議な官能体験が記されており、やがて佳子自身も激しい欲望に囚われていく……。怪奇幻想の大家、江戸川乱歩の代表的な短編小説の映画化。ビジュアル化が難しいとされていた原作のイマジネーションあふれる世界を翻案し、妖しいエロティシズムが漂う作品に仕立てている。

あらすじ

昭和初期、人気女流作家の篠崎佳子は、外交官の夫・昭一郎と何不自由ない生活を送っている。だが、彼女は異常なまでの潔癖症で、執筆中も手袋を用いるばかりか、夫との性交渉にも我慢がならないほどだった。ある日、彼女の元へ一通の封書が届く。それは匿名の家具職人からのもので、中身は彼が自ら作った椅子の中に入って、言いしれぬ喜びに包まれているという告白文であった。初めは質の悪い悪戯だと思っていた佳子だったが、日々送られてくる手紙を読むうち、彼女はその奇異な世界にいつしか夢中になっていく。そして、男の潜んだ椅子が、実は自分が今座っている椅子であったことを知った佳子は、ますます男への興味を募らせていった。さらに彼女のもとに新たな封書が届き、そこには一度でいいから会いたいという男の願いがつづられている。男と会う決心をした佳子は、指定の場所へ赴き男と肌を重ねた。男は自分は醜いからと顔を見せてはくれなかったが、触覚だけで味わう行為に彼女は今まで夫との間では体験できなかった陶酔を覚え、その世界にのめり込んでしまう。佳子と男はその後も逢瀬を重ね、ついに佳子は男との駆け落ちを考えるようになった。ところが、実は男は昭一郎であり、全ては妻の潔癖症を治そうとした夫の創作だったのである。佳子はその事実にショックを受けたが、自らの目を傷つけてまで自分を愛してくれようとする夫の気持ちを知り、夫と暮らしていこうと思い直した。それからのふたりは円満となり、子宝にも恵まれる。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 1997年
製作国 日本
配給 ケイエスエス
上映時間 86
公開日 1997年4月19日(土)公開
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