「青春の門〈1981年〉」(1981)

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57点57
主人公・伊吹信介の波乱に富んだ幼年期〜青年期を中心に描いた、五木寛之の自伝的大河小説の再映画化。深作・蔵原の共同監督により、炭坑の町に生まれた主人公が、そこに生きる男たち女たちに支えられながら生きていく姿が語られる。原作の『筑豊篇』にあたる部分を描いている。

あらすじ

伊吹信介は炭鉱地帯に生れた。父の重蔵はヤマ騒動でダイナマイトを爆発させた犯人として検挙され、はげしい拷問に耐え抜いてヤマの英雄とみなされた人物で、その存在は北九州一帯に知れわたっていた。重蔵が、新興やくざ塙竜五郎とカフェーの女給タエをはりあって大喧嘩となり、全身傷を負いながらも彼女を手に入れたことは多くの人の語り草になっている。そのタエが信介の二度目の母となった。二年後。竜五郎が関係している鉱山で落盤事故が起き、坑夫たちが坑内に閉じ込められてしまった。重蔵はダイナマイトを腹にまきつけ、竜五郎に見送られ、坑夫たちを救出に坑内に入った。多くの坑夫たちが救出されたが、重蔵は戻って来なかった。信介五歳の時だった。以来、タエは採炭の仕事をしながら女手一つで信介を育てた。信介も父の血を受けつぎ、負けん気の強い少年に成長。ある日、朝鮮人の子供と喧嘩し、一対一の勝負をつけるため、朝鮮人集落へ向かった。そこで、落盤事故で父に救出された金山と出会った。その日から、金山は重蔵への恩義から信介母子の貧しい生活を助けるため、足しげく信介の家を訪れるようになった。しかし、その金山も戦場にかり出されていった。やがて終戦となった。満州から戻った竜五郎は、飯塚で一家を構え、信介母子の世話を申し出るが、タエは自分の手で信介を育てると言う。信介が中学に入った頃、金山がシベリアから帰って来た。金山は労働組合のリーダーとなり、朝鮮人労働者の差別撤廃を求め、あやまって炭鉱主を殺害、追われる身となる。その頃、タエは過労のため結核に蝕まれ、母子は竜五郎に引き取られることになった。幼なじみの織江が涙ながらに信介を見送る。飯塚の中学に進んだ信介は学校の音楽教師、梓旗江に慕情を寄せるが、かなわぬ思いを織江に求めた。情熱的な生き方を求める梓先生は田舎の生活に飽き足らず、信介に上京をすすめ、自ら飯塚の町を去っていく。信介はさびしさをまぎらわそうと、織江を訪ねた。だが織江は母親が死亡したため、貧しい家庭をささえきれず、小倉のキャバレーに勤めに出ていた。小倉に織江を訪ねた信介は、その夜、安旅館で男になった。数日後、竜五郎が朝鮮人労働者に撃たれた。一家の長太が単身殴り込みに行くが、逆につかまってしまい、竜五郎が引き取りに行く。そこへ金山が立ちふさがる。二人の間に割って入った信介は長太をかついで去って行った。空に向け発砲する金山。これが信介に対する金山の訣別のしるしであった。自分で生きていこうと、信介は上京を決意、療養所のタエに報告する。一人前の男になったと喜んだタエは翌日、多量の血を吐いて他界してしまう。タエの葬式を終え、信介は竜五郎に置手紙を残し、東京へ旅立った。信介はすべての人間が一生に一度だけくぐり抜ける青春の門の入口に近づこうとしていた。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 1981年
製作国 日本
配給 東映
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キャスト