「山椒大夫」(1954)

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82点82
平安時代の末、越後を旅していた母子連れは、人買いにだまされて引き離されてしまう。安寿と厨子王丸の二人の子供は、丹後の大地主・山椒太夫の荘園に奴隷として売られ、毎日苛酷な労働に苦しめられる。山椒太夫のもとで10年間を耐え忍んだ姉弟はある日逃げ出す決心をして荘園を出るが、追っ手が迫り、安寿は弟を救うためにおとりとして池に身を投げる。厨子王丸は逃げ延びて国守となり、母を求めて佐渡に赴く……。森鴎外の小説で有名な話を溝口健二が重厚な演出で描いた秀作。ラストのパン撮影で捉えられた海のシーンは息をのむほど美しく、ジャン・リュック・ゴダールがのちに「気狂いピエロ」のラストで再現した。

あらすじ

平安朝の末期、越後の浜辺を子供連れの旅人が通りかかった。七年前、農民の窮乏を救うため鎮守府将軍に楯をつき、筑紫へ左遷された平正氏の妻玉木、その子厨子王と安寿の幼い兄妹、女中姥竹の四人である。その頃越後に横行していた人買は、言葉巧みに子供二人を母や姥竹と別の舟に乗せて引離した。姥竹は身を投げて死に母は佐渡へ売られ、子供二人は丹後の大尽山椒大夫のもとに奴隷として売られた。兄は柴刈、妹は汐汲みと苛酷な労働と残酷な私刑に苦しみながら十年の日が流れた。大夫の息子太郎は父の所業を悲んで姿を消した。佐渡から売られて来た小萩の口すさんだ歌に厨子王と安寿の名が呼ばれているのを耳にして、兄妹は母の消息を知った。安寿は厨子王に逃亡を勧め、自分は迫手を食止めるため後に残った。首尾よく兄を逃がした上で安寿は池に身を投げた。厨子王は中山国分寺にかくれ、寺僧の好意で追手の目をくらましたが、この寺僧こそは十年前姿を消した太郎であった。かくして都へ出た厨子王は関白師実の館へ直訴し、一度は捕われて投獄されたが、取調べの結果、彼が正氏の嫡子である事が分った。然し正氏はすでに配所で故人になっていた。師実は厨子王を丹後の国守に任じた。彼は着任すると、直ちに人身売買を禁じ、右大臣の私領たる大夫の財産を没収した。そして師実に辞表を提出して佐渡へ渡り、「厨子王恋しや」の歌を頼りに、落ちぶれた母親と涙の対面をした。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 1954年
製作国 日本
配給 大映=大映京都
上映時間 124
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