「ある殺し屋」(1967)

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71点71
もっぱら時代劇俳優として伝説的なまでの人気を博した市川雷蔵が、珍しく現代劇に取り組み、しかも殺し屋を演じるという作品。原作は藤原審爾の『前夜』で、普段は小料理屋の無口な板前だが、裏の顔は名を知られた殺人請負業で生きているという男の話である。暴力団・木村組から敵対するボス・大和田の殺人を2千万円で請け負った主人公・塩沢は競馬場、大和田邸、大和田の妾宅と大和田を狙ったが果たせず、遂に大和田主催のパーティーに芸人として潜入。畳針で一気に刺殺するというあざやかな仕事ぶりをみせる。しかし塩沢の報酬の横取りを狙う者がいた……。ニヒルなキャラクターにぴたりとはまった市川雷蔵の殺し屋ぶりが実に素敵だ。

あらすじ

塩沢は名人芸の殺し屋として、やくざ仲間に名を知られていた。ふだんは平凡な一杯飲屋の主人だが、どんな困難な殺人でもやってのけた。ある日、塩沢は、無銭飲食と引きかえに、体で金を払うというズベ公スタイルの女圭子の金を払ってやった。その日から圭子は塩沢につきまとい、塩沢のやっている小料理屋“菊の家”までおしかけ、あげくの果にはおしかけ女中として“菊の家”に住みこんでしまった。塩沢が意外と小金を持っているらしいと睨んでのことで、夜ごと、塩沢を挑発するがぜんぜん相手にされなかった。そんなところへ、暴力団木村組から、競争相手のボス大和田を殺してほしいと依頼があった。塩沢は二千万円でその仕事を引きうけた。競馬場、大和田邸、大和田の二号茂子のマンションと、塩沢は大和田をつけ狙ったが、強力なボディガードに守られた大和田に手が出なかった。しかし、ついに大和田主催のパーティに芸人として潜りこんだ塩沢は、大和田暗殺に成功した。塩沢の手口の鮮やかさと、報酬の大きさに惚れこんだ、木村組幹部前田は、塩沢に弟子入りを頼んだが断わられた。しかし、前田は圭子から手なづけようと、強引に圭子と関係を結んだ。前田の若さと強引さに惹かれた圭子は、塩沢を殺して彼の金を盗ろうと前田にもちかけた。前田と圭子は色と慾で組んだ。そして計画を練った。それは、ボスを失った大和田組が麻薬を扱っているから、それを横どりしようというのだ。無論塩沢に異存はなかった。塩沢一流の周到な計画で、塩沢、前田、圭子の三人は、大和田組から二億円の麻薬をカツあげした。その瞬間前田は塩沢に拳銃を向けた。しかし、裏切りを予想していた塩沢は前田の拳銃の弾を抜いていた。愕然とする前田に、塩沢は約束通り麻薬を三等分して去っていった。初めて本当の男の気持にふれた前田は、麻薬も圭子も捨てて塩沢の後を追っていくのだった。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 1967年
製作国 日本
配給 大映=大映京都
上映時間 82
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