「幕末残酷物語」(1964)

【DVD発売中】

83点83
新選組に入隊した、気弱で力もない青年の物語。舞台は新撰組の屯所内に限定され、その中で厳しい規律に縛られた若者たちが人間性を失い、破壊していく様を描く。徹底したワンセット・システムの撮影と、まだ幼さの残る藤純子が印象的。

あらすじ

一番隊長沖田総司に頼み込んで憧れの新選組に入った江波三郎は、組の厳しい掟と訓練に縛られながら不慣な生活を始めた。池田屋騒動以来、長州の幕府に対する反感は高まり、新選組も非常体制を敷いた。江波も沖田隊長の率いる一番隊に配属となった。ある日、監察部山崎蒸に呼ばれた新入隊士五人は、坂本竜馬、中岡慎太郎に内通するものがいる筈だときつ問された。顔を見合わす五人の中から、突如短刀をかざして山崎に迫った男は、相原であった。山崎に組伏かれた相原は、直ちに処刑と決った。近藤勇の指命でその首をはねる役が江波に決った。意外さに血の気の失せた江波の、必死に振う太刀は相原の急所をはずれ、無惨な処刑となった。近藤勇から、誰でも命令あり次第、首を斬らねばならぬと言われて江波は、隊の規律を乱した者の首斬りを、自から買って出て局長のため組のためつくすようになった。そんな江波を、沖田や、恋人のさとは意外なおももちでみつめていた。やがて長州、土佐、薩摩が連合した。それを迎撃して出陣する前夜、江波は沖田から、新選組を作ったのは、水戸藩の天狗党の残党であった芹沢鴨であったが、途中から加わった百姓上りの近藤勇、土方歳三らが地位と権力を得るために、芹沢に不意打をかけ惨殺したのだと聞かされた。しかしどんな非情な話を聞いても、江波の隊員としての気持は変らなかった。副長山南敬助、河品隆介らの脱退さわぎで組が動揺した後、出陣を前にして、江波は山崎に呼ばれ“芹沢鴨の甥だな”とつめよられた。江波は偽って新選組にもぐりこんではいたが、実は近藤の裏切りにあって死んだ芹沢の甥であることを坂本、中岡らに見込まれ、間者役をひき受けたのであった。怒り狂った近藤は、沖山に抜刀を命じた。“お前達こそ人間の悪の元兇だ”と叫ぶ江波に、沖田は涙ながらに刀を下した。出陣に勇む隊士の喚声を聞きながら、屍にさとはすがりついていつまでも鳴咽していた。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 1964年
製作国 日本
配給 東映京都
上映時間 99
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